革素材の本格的なバッグからカジュアルバッグ、財布、手帳、アクセサリー、文房具にいたる多様な製品を製造するには、折り曲げたら割れる、強度が弱いといった天然木の性質を克服した、非常に柔軟で強度があり、縫製もでき、さらに耐水・紫外線褪色防止機能まで備えた自在性シートを開発する必要がありました。
まず天然木を非常に薄く(0.1〜0.3mm)スライスした薄板に、人体に安全な生体適合性の天然樹脂を充填することで薄板に柔軟性を持たせます。
そして和紙や不織布、天然皮革などで補強します。この時、別途、接着剤を用いるのではなく、薄板に充填した天然樹脂が木の繊維を通じて補強材表面部分までおりてきて、接着剤として機能します。
こうして天然の木材でありながら柔軟性にとみ、繰り返し折り曲げても折れたり割れたりせず、十分な強度もある天然木自在シート/が完成します。
これまで、天然木をスライスした薄板は、化粧合板として使用するか、あるいはラッピング材(固定したものの表面に貼る)として使用するかのいずれかであり、その用途は建築資材、家具、置物など動かないものに限られていました。
しかしを用いることによって、従来不可能であった天然木の長所と風合いを生かしたバッグ、ポーチ、ベルト、手帳など小物製品の製造が初めて可能になり、が誕生することになったのです。
弊社は2002年6月、この天然木自在シート/ の開発で特許出願をしました。そして2004年3月に日本国、2005年8月アメリカ合衆国で特許を取得しました。
なお本研究と開発は、龍谷大学理工学部物質化学科との共同研究で行っています。