天然木を素材にしてバッグや雑貨、アクセサリーを作るという発想自体、ユニークなものです。またデザイナーたちの多様で個性的な感性と出会うことによって、今までになかった新しくおもしろい製品ができあがるという自信もあります。
しかし、発想の奇抜さやデザインの良さだけでものを作る時代は終わったと思います。地球規模で環境が破壊され、自然が失われていく現代にあって、環境の面についてしっかりと考えた上でものを作るかどうかが、今ものを作る者にもっとも問われていることだと思います。
現在、環境問題の一つに木の伐採があげられます。特に発展途上国の木が乱伐され多くの熱帯雨林が地球上から姿を消していっています。
それなのになぜあえて木を使うのかといった疑問を持つ人がいるかもしれません。
しかし、の素材であるの開発にあたって、私たちがもっともこだわった点は、「省資源」「リサイクル」ということでした。
私たちは生活の中で実に多くの木材を消費しています。家や建物に、また内装材や家具として多くの木を使用します。その過程で必ず木の「半端、切れ端」である端材が大量に出ます。従来は廃棄処分するしかなかった、こうした端材を再利用し、新しい素材として再生させたのが、なのです。
またの元となる薄板は、わずかな木材から大量にとることができます。たとえばわずか1m3の木材から5000m2もの突板を得ることができるのです。
このように新たな資源を消費しなくても、今あるものをうまく工夫し再利用することで、新しい価値を持った製品として生まれ変わるということを、とは実証しているといえるでしょう。
またこの素材は、徹底して天然の原材料にこだわった素材です。従来の天然素材製品では柔軟剤、接着剤として合成樹脂など化学物質を使用するケースが多いですが、は人体に安全な生体適合性の天然樹脂を使用します。このため、燃やしても有害な物質が出ない、廃棄してもいずれは原材料が分解処理され土に還っていくなど、処分時の環境と安全性にもこだわっています。